おばさんの思い出日記

太ったおじさんみたいなおばさんです。

精神疾患に対する誤解について書いてみる

目次

強い薬を出して廃人にする

 これは昔はありました。私の父の時代は特に統合失調症に効く薬がなく、他害行為の多い統合失調症の人は何か分からない鎮静剤のような薬や注射で対処していました。また、父の証言によると精神病院内で暴れると、暴力を振るわれて、肉体的にも心理的にも制圧されたようです。

 また、15年程度前に地方の友達の親が双極性障害で、家庭内で暴力を繰り返し、妻が「暴力を振るわないように、おとなしくさせたい。」と、大きな精神病院に相談に行ったところ、「薬漬けにして、廃人同然にしますが良いですか?」という趣旨のことを聞かれたそう。比較的に最近の15年前でも、地方の精神病院ではそのようなことが行われていたようなので、最新精神医療を受けられる病院かどうかは、患者やご家族の明暗を分けそうです。

 

「うつ」が「そううつ」になったら重症化したと思う患者

 精神疾患や発達障害は患者自身が「自分の病気に対する知識に乏しい」ことも少なくなく、病名が変わったり、処置や薬が変わったりすると、重症化したと勘違して落ち込む人も少なくありません。これは患者家族も同様です。

 一番多い誤解が、「うつ」の人が「そううつ(両極性障害)」に病状が変わると、「うつ」の症状だけだったのに、「そう」の症状も増えた、「うつ」に「そう」がプラスされたから、きっと悪くなったんだ、と解釈して落ち込む誤解です。

 うつは「気分が落ち込む状態が続く」症状で、そううつ(双極性障害)は「うつ」と「そう(異常なハイテンション)」を繰り返す症状で、全く違う症状で全く違う病気です。軽度の双極性障害の人と、重度のうつ病の人では、重度のうつ病の人のほうが厄介です。ですから、どちらの病名のほうが、より重症ということはありません。

 

5分診療でちゃんと診てくれない

 ネットでよく見るのが、初診以外は精神科医がたいして話を聞いてくれず、信用できないという意見。確かに、真面目に診察する気が有るのかな?と思えるくらいに、事務的な医師というのはいます。

 ですが、優秀な医師は5分の診察でも、発言、手足の動き、目の動き、質問に対する答え方などなどから、かなりの情報を読み取っています。ですから5分だとちゃんと見ていなくて、30分ならちゃんと見ているというわけではありません。

 そもそも精神科では役割分担というのがあって、医師の役割は患者の症状を捉えて薬を出すのが役割ですから、長いお話を聞いてほしい場合は心理士に聞いてもらうのが一般的です。通院も難しければ、訪問看護の看護師がお話を聞いてくれ、それを医師に上げて薬が処方されます。

 ただ、明らかに患者を助けたいという意思が感じられず、作業、仕事と割り切って診察をしている医師にも出会ったことがあるので、ちゃんと診てくれない医師が存在するのも、また事実です。人間の闇の部分を見すぎて心が折れてしまった医師なのかもしれません。

 

精神医療スタッフの役割

  • 医師=病気の全体像を把握し、薬の処方、スタッフへの情報共有
  • 臨床心理士=主に心のケア。長時間(30分~1時間程度)、患者の話を聞き、考え方の癖や、行動の癖を把握し、フォローや矯正を試みる。
  • 看護師=身の回りの世話、話し相手、注射などの医療行為など。
  • 精神保健福祉士=精神病に特化した、生活や制度に関する相談員(ケースワーカー)。お金の相談、病気からくる困りごとをどう解決するかの相談がメイン。
  • 介護スタッフ=自分でトイレ、食事を取れない人の世話。

などに役割分担がなされています。

 

病院を返えたら病名がコロコロ変わるので信用ならない

 精神疾患の病名は、その時に一番強く、わかりやすく出ている症状で病名が決まります。症状がコロコロ変わる人は、それに合わせて病名もコロコロ変わります。大きな精神病院に掛かっていると色々な患者さんとお話できるのですが、ウツがソウウツになったり、逆にソウウツの人がウツとになったりは割とありました。

 私も同じ担当医の時で、10年で4回ぐらい病名が変わりました。

 私の場合は一番最初についた病名が「非定型精神病」⇛「双極性障害」⇛「適応障害」⇛「気分障害」といった順だったと思います。

 私自身は担当医を信頼しているので、実は病名に興味がなく、今現在の自分の病名が何だが知らなかった時期が多いです。上記の病名も、入院や医療保険の関係で診断書や診断名が必要となり、知っただけで、もしかしたらもっと多くの回数病名が変わっているかもしれません。

 私自身としては病名が何であれ、症状さえ軽くなってくれれば良いので、症状が変わったら病名も変えて、薬も支援体制も変えていただけたので、病名が変わるのは、より的確な治療と支援が受けられるということだと、良い印象を持っています。

 

精神医療、支援体制は10年でガラッと変わる

 私の父の時代には精神医療自体が進んでおらず、精神病院に父を見舞いに行っても、正直、廃人みたいな人が多かったです。ですが、良い薬ができたためか、今の精神病棟は認知症や知的障害を伴う人以外は昔ほど重症の人は少ない印象でした。

 精神医療そのものが進んでいるし、私自身は自分が精神疾患になって10年後くらいにできた支援制度などもあり、知らずに利用できていなかったりしました。そして、2018年の今と、2008年の10年前では支援体制は大きく違い、特に障害者、精神病者の自立支援、就労支援、雇用支援のありようは大きく変わりました。

 これも多少、運の部分もあるのですが、良い医師、心理士、看護師に出会い、質の高い就労支援を受けることで働くことも不可能ではない時代だと思っています。昔は面接で「精神疾患」であることを正直に言ったとしたら、確実に不採用だったと思います。

 そう考えると、就労支援なんていうものは、40年前の精神病患者からしたら、夢のようなお話でしょう。

 

精神病闘病は情報収集が大切

 私も、地方で色々な情報がなかったり、ウツが重症で情報収集する気力さえなかった時には、(実際には色々な人に助けてもらっているのに)誰も助けてくれないし、生きる希望などないという被害妄想や絶望感を持っていました。ですが、関東に来て、優秀な精神科医と医療レベルの高い精神病院にかかれたことで、時々は外に出て働ける程度には回復しました。

 その病院に巡り会えたは、夫が当時、私の通っていたクリニックを信用しておらず、区役所に「いい病院はないのか!」と掛け合ってくれたおかげです。

 運の要素もありますが、まずは患者やご家族がより多くの正しい情報を得て、精神医療に誤解のない状態で治療をすすめていってほしいと願っています。

 

※「精神疾患」と「精神病」は言葉の意味が違うそうなので要注意。過去記事で私はごちゃまぜに書いちゃってます。もう、全てを修正できる気はしません。用語はちょいちょい知識が古かったり、勘違いが混ざるけど、患者側の体験記なので大目に見てね…

 

◆精神病と精神疾患の違いについては以下の記事でどうぞ。

精神病って何?どんな疾患が精神病になるの?